電磁波による地中探査概要
電磁波による地中探査技術は、最近構造物空洞調査、地中埋設物調査、遺跡調査等に広く利用されている。
電磁波以外の非破壊探査法として弾性波、超音波、サーモグラフ等いくつか上げられるが、次の特徴から電磁波が多く使用されている。
- リアルタイム的に調査することができる。
- データの再現性が高い。
- 周辺の環境(ノイズ)から影響を受けない。
- ポイント調査ではなく連続した調査が可能である。
- 非破壊調査法である。
- 作業が簡便で調査費用が安価である。
埋設管調査
↑
トンネル覆工背面調査
→
路面下空洞調査
しかし、電磁波による地中探査技術は歴史が浅く、限られた分野での市場であったことから、今後考慮しなければならない問題点もいくつか残っている。
その問題点としては、
- 電磁波による地中探査は、地中の状況を電磁波の反射をもとにした画像で表示することから、画像の解読に時間がかかり、また解読者は、ある程度の経験を積ツまなくてはならない。
- 路面(コンクリート)の構造や地質の変化により電磁波の伝播速度が異なるため、深さ方向の調査結果に誤差を生じることがある。
- 電磁波の指向性が強くなく、平面的な位置においても誤差を生じることがある。
- 隣接した埋設管の位置を調査するとき、電磁波の指向性により判別不能となることがある。
- 地中の上部に強反射体(金属等)が介在する場合、その下の情報を調査することはできない。
だが、これらの欠点を考慮したとしても、路面下・構造物下の状況を調査する方式としては、電磁波による地中探査技術が、現在最も進んだ調査法であると考えられる。
- 電磁波調査 技術解説
- 電磁波による地中探査概要
- 地中探査略図(動画)
- 地中探査の原理
- 路面下空洞調査施工手順
- トンネル覆工厚・覆工背面空洞調査施工手順
- 埋設管調査施工手順
- 構造物鉄筋調査施工手順
- 調査機器
- 調査機器の仕様
- コントローラ仕様
- アンテナ仕様(1)
- アンテナ仕様(2)
- アンテナ仕様(3)
- 図表
- 図1 電磁波の反射
- 図2 生波形の色配分
- 図3 波形断面図の処理過程
- 図4 調査機器の構成図
- 図5 路面下空洞調査概要図
- 図6 トンネル覆工背面調査概要図
- 図7 埋設管調査概要図
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◎0
◎FIG_MOV
◎P
◎1
◎2
◎3
◎4
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◎fig-1
◎fig-2
◎fig-3
◎fig-4
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◎fig-6
◎fig-7
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電磁波の速度は空中及び真空中では、約300,000km/sである。また電磁波の伝播速度は通過する媒体の電気的性質の影響を受け、
v=c/√ε・√μ ………………(1)の式で与えられる。
ここに、c=光速
ε=電気定数(比誘電率)
μ=比透磁率(空中、水中、地中では1)である。
したがって、電磁波の伝播速度は比誘電率に依存する。
代表的な媒体の比誘電率は、空気1、水81、地中5〜20、コンクリート6〜12(地中・コンクリートは材質により異なる)である。よって、電磁波の伝播速度は空中に比べ、水中、地中、コンクリート中では、それぞれ1/9、1/2〜1/5、1/2〜1/4 程度となる。
また、電磁波は光の一種であることから、透過、屈折に対しても光と同様な性質があり、その反射の強さは電磁波の通過、または反射する媒質の比誘電率の差によって大きく左右される。つまり、比誘電率の差が大きいほど、大きな反射となって戻る。
したがって、電磁波による地中探査は、地中内を通過する電磁波が、空気、水などの異質物に接したときの反射波を受信し、速度と反射の強さを解析することによって、地中内の情報を推測することができる。
電磁波探査は、図−3電磁波の波形に示すように、反射して戻った波を中心軸から+方向、−方向に各8ランクの強さに応じて色配分ている。
色配分の例
反射の強いもの
| ←白
| ←紫
| ←青
| ←緑
| ←黄
| ←橙
| ←朱
| ←黒
| ←反射の弱いもの
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←← | ←← | ←←
| ←← | ←← | ←←
| ←← | ←←
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←白
| ←緑
| ←青
| ←紫
| ←黄
| ←橙
| ←朱
| ←黒
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また、CRT画面に表示される波形断面図は1つ1つの波を集合させ、反射強度に対して色分けしたもので、生波形から波形断面図に処理する過程を図−4の解析手順に従って示す。
| 調査計画立案調査
| 依頼先で実施
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↓
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打ち合わせ・協議
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調査目的 工期・費用等
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↓
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計画書・仕様確認 |
関連資料入手(埋設管図面等)
計画書・工程表提出
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↓
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事前調査 |
現地調査(交通量・現地下見)
調査時間帯・安全管理等の検討
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↓
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現地調査 |
踏査・測量・マーキング
電磁波地中探査
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↓
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解析 |
データ作成・解読・図面作成
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↓
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報 文 執 筆 |
探査結果
評価・判定・考察
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↓
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報告書印刷製本 |
青焼・カラーコピー
印刷製本
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↓
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報告書提出 |
報告書検収
調査工事完了
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調査計画立案 |
調査依頼先で実施
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↓
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打ち合わせ・協議 |
調査目的
工期・費用等
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↓
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計画書・仕様確認 |
関連資料入手(施工図面等)
計画書・工程表提出
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↓
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事前調査 |
現地調査(現地下見)
調査時間帯・安全管理等の検討
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↓
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現地調査 |
踏査・測量・マーキング
電磁波地中探査
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↓
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解 析 |
データ作成・解読・図面作成
コア採取箇所選定
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コア採取工事 | →→↓
| 報文執筆 |
探査結果
評価・判定・考察
| ↓
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報告書印刷製本 |
青焼・カラーコピー
印刷製本
| ↓
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報告書提出 |
報告書検収
調査工事完了
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| 調査計画立案 |
調査依頼先で実施
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↓
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打ち合わせ・協議 |
調査目的
工期・費用等
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↓
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計画書・仕様確認 |
関連資料入手(既設設管図面等)
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↓
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事前調査 |
現地調査(現地下見)
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↓
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現地調査 管位置マーキング
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踏査・測量・マーキング
電磁波地中探査
鉄管・ケーブル検知器
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↓
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解 析 |
データ作成・解読
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↓
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報文執筆 |
探査結果
評価・判定・図面作成
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↓
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報告書印刷製本 |
カラーコピー
印刷製本
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↓
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報告書提出 |
報告書検収
調査工事完了
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| 調査計画立案
| 調査依頼先で実施
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↓
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打ち合わせ・協議 |
調査目的
工期・費用等
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↓
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計画書・仕様確認 |
関連資料入手
(構造図面・施工図面等)
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↓
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事前調査 |
現地調査(現地下見)
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↓
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現地調査 鉄筋マ ー キ ン グ
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RCレーダ鉄筋調査
配筋(鉄筋)現地マーキング
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↓
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調査工事完了 |
工事状況に応じ立会い有無
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調査機器の構成
本調査装置はパルス状の電磁波を地中やコンクリート内に発射し、空洞または地山との境界面で反射して戻った波を捉え、波形及び波形断面図をディスプレイユニットにカラー表示する装置である。
コントロールユニットから電磁波送信信号が送られると送信アンテナからモノパルスの電磁波が発射される。この電磁波は表面で約半分が反射するが、残りの半分が地中やコンクリート内部に入射し、透過・反射しながら受信アンテナに戻る。反射波はサンプリング回路で低周波信号に変換され、コントロールユニットで信号処理された後、CRTディスプレイユニットに画像データとして表示される。
コントロールユニットに搭載されたビデオレコーダはこの信号を記憶・再生することが可能で、外部出力してビデオプリンタでハードコピーすることもできる。
調査機器の仕様を示す。
コントローラ仕様
MODEL | SIR−10
アンテナ数 | 2チャンネル
| テープドライブ | 8mmカートリッジテープ 2.3ギガバイト
| プリンタ I/F | セントロニクス
| 外部出力 I/F | RC−232C
| 電源 | 100V A.C.
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アンテナ仕様(1)
MODEL | 3101
出力パルス電圧 | 50 V
| 最大供給電力 | 10.4 W
| 平均供給電圧 | 0.29 V
| 最大出力 | 2.1 W
| 平均出力 | 0.058 W
| 出力パルス幅 | 1.0 ns
| 中心周波数 | 900 MHz
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アンテナ仕様(2)
MODEL | 3102
出力パルス電圧 | 100 V
| 最大供給電力 | 41.7 W
| 平均供給電圧 | 1.0 V
| 最大出力 | 8.0 W
| 平均出力 | 0.2 mW
| 出力パルス幅 | 2.0 ns
| 中心周波数 | 500 MHz
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アンテナ仕様(3)
MODEL | 3105
出力パルス電圧 | 70 V
| 最大供給電力 | 20.4 W
| 平均供給電圧 | 1.7 V
| 最大出力 | 5.1 W
| 平均出力 | 0.42 mW
| 出力パルス幅 | 3.3 nS
| 中心周波数 | 300 MHz
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<fig-5> 路面下空洞調査概要図
<fig-6> トンネル覆工背面調査概要図
<fig-7> 埋設管調査概要図
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Last Update: 2004/11/26
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